
出勤は夜明けとともに〜オーストラリア 11
農園まではランドクルーザーやバスに相乗りしていく。
Tully周辺にはいくつも農園があるため数多くの送迎車が来ているが、
その中から自分が行くべき農場の車を探さなければいけない。
しかも「乗り遅れたら仕事は無し」と宿の人に言われていたのでドキドキしてかなり早めに乗降場所まで行った。
しばらくするとドアに私の行く農場の名前が書いたランドクルーザーが止まった。
宿から正式に選ばれた証として小さな紹介状のようなカードをもらったので
それをドライバーに見せた。
すると「Jump in, mate.」と言われ、後部座席に乗った。
後部座席は向かい合って座るようになっており、全部で10人くらいのワーカーが乗った。
※イメージ画像。形は同じだがこの100倍汚かった😇
乗降場所の郵便局から少し走ると墓地があって、それをこえると農場がずっと続く。
初めての出勤はどこに自分の農場があるかもわからないのでずっと外を見ていつ着くのかドキドキしていた。
一緒に乗っている人は私とは別の宿に泊まっているバックパッカーや地元の労働者で
朝も早いので皆目を瞑っていた。
そんな中、外を見ている私には農場の彼方の地平線からの日の出が眩しく輝いて見えた。
30分ほどして目的地の農場に到着したころにはすっかり日が昇っていた。
一口にバナナ農園と言っても様々な仕事がある。
バナナに殺虫剤を散布する「injection」
収穫したバナナをロープでコンベアに吊るす「hangging」
それを切る「cutting」
それを箱詰めする「packing」などなど、、、、
そして私はバナナを収穫する「humping」という仕事についた。
バナナはスーパーで売っているような一房になる前、その何倍も大きな「バンチ」と呼ばれるひとかたまりになっている。
それを担いでトラクターに載せるのが私の仕事。
バンチは30kg〜7,80kgにもなり肩に載せれば運べるが、落としてしまうと一人では持ち上げられない重さである。
私ともう一人、木に切れ目を入れる兼バンチを切り離す人がいて
二人一組で歩き回って収穫できる大きさのバナナを採っていく。
朝の7時前から仕事が始まり、休憩を挟みながら15時ごろまでずっとこの繰り返しだった。
カッティングやパッキングなどの工場内作業もこちらの収穫が遅ければ仕事がなくなってしまうためサボることはできない。
※逆に順調に収穫できている時は休めた。
バナナは高温多湿のところで育つため、画像のようなビニールをバナナに被せ大きく育てている。
この上の部分に雨水が溜まりコウモリ、カエル、ネズミが住みついていたりフンをしたりして収穫の時には汚水が我々に襲いかかってくる(笑)
地上からはヘビが襲ってくることもあり、農園での仕事はかなりのワイルドさが必要な仕事であった。
高温多湿の地域のため突然のスコール(大雨)が降ることもしばしば。
そんな時は風の吹き方でスコールが降るのが分かるようにもなった。
仕事自体は肉体労働で決して楽ではなかったけれど、汗水流して働くということは気持ちの良いことだと思った。
15時に仕事が終わると宿に戻りみんなとスーパーに行ったり、話をしたり、時にはビールを飲んだり。
こんな生活が嫌で嫌ですぐに居なくなってしまう人もいるが、全く苦にならなくて自分の居場所を見つけた気になる人もいる。
私は後者だった。
「どこかの学生」とか「どこかの社員」という肩書き、居場所というのは
あることが当たり前と思っている人が多いのではないかと思う。
オーストラリアという場所で、語学学校を終え、(多少の)苦労をして見つけた仕事。
何もしない2週間というのは不安で、仕事ができるという喜びを感じていた。
-続く-
あと2、3回でオーストラリア編終わりたいです🤔
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